狂炎ソナタ(配信・日本語訳付)感想|광염소나타

前回の記事で配信でミュージカルを見た旨を投稿したあと肝心のミュージカルの感想を投稿せぬまま日々が過ぎていました。わたしが見たSUPER JUNIORのリョウクがJ役にキャストされていた公演のあと、彼自身のアイドルとの熱愛のニュースなどがあって、KPOPファンダムの騒ぎを眺めていたら圧倒されてしまい、なんかいろいろそれどころじゃありませんでした(おおげさ笑)

でもそれはそれ、これはこれで、感想は書いておかねばなるまいと謎の責任感で戻ってきました。忘れないうちに。

引用元・https://www.tv-asahi.co.jp/douga_mv/live200918/kyoen-sonata.html

上記に書いてあるとおり、この舞台、演者は3名だけ。セットの後ろのほうにオーケストラメンバーがいましたが、彼らは演奏メンバーなので演技をするのは3人だけでした。過去にも公演があったようで、そのときもそうだったのか、今年の公演は感染症の影響でこういう構成なのかはわかりませんが、休憩無しで90分という(わたしが過去に見た別の公演の中では)比較的コンパクトな公演ですが、ぎゅぎゅっとそれぞれの個性を描いている作りだったと感じています。

おおまかなあらすじと感想

ミュージカル『狂炎ソナタ』とは
「グロリア・アルティス」賞を受賞し、華やかにデビューしたものの、後に一曲も書けず、いつも不安に苦しむ作曲家J。
音楽的天性に恵まれながら、記譜が出来ないS。彼らは長年の友人であり音楽的ミューズである。
Jはクラシック界で著名な教授Kを訪ね、再び作曲を始めるが、頻繁なる冷評と重圧に勝てず泥酔し交通事故を起こしてしまう。
目の前で目撃した『死』。そして血の匂いと共に嘘のように完成させた第1楽章。
信じ難い曲の誕生理由が『死』であると悟った教授Kは、曲の完成のためJに殺人をそそのかし、Jは第2楽章のため殺人を犯すことに……。
果たしてJはソナタを完成させることができるのだろうか。

https://www.tv-asahi.co.jp/douga_mv/live200918/kyoen-sonata.html

テレビ朝日の特設サイトには上記のような記載がありました。Sは記譜が出来ないのか、、とこれ読んで知りさらに納得しました。

現在は感染症の関係で、ファンが劇場をあとにする演者を待って声をかけるいわゆる「出待ち」が出来ないこともあるのか、リョウクがこの配信の期間自分が出演したあとにYouTubeでライブ配信をし、今の心境を語ってくれたりしたのをいくつか見ていましたが、泣きながら目が覚めたとか、帰ってから疲れてしばらく寝てしまったとか言っていたり、表情も明らかにお疲れだったので、重い内容なのだろうとは思っていました。

本当に重く苦しいお話で、その中で歌とピアノとオーケストラが異様に際立っていて、なんだかすごかったです。演劇の話ではないのですが、角田光代さんの「八日目の蝉」という小説を読んだときに、結果だけ見たら社会のルールを破り罪を犯しているののだけど、罪を犯している人の目線をじっと追うと、そちらの気持ちや苦悩も理解できなくもない、ということはあるんだよなぁと思ったことを思い出しました。

Jについては、苦悩と曲が生まれたときの喜びの落差がすごく、至高を目指すことになんの意味があるんだろうと思うけど、もうそれに魅了されてしまったら苦しみ続けるしかないのだろうか…と悲しく感じました。わたしにはわからない感覚だったけど、ギリギリであるがゆえに美しいというのはわからなくはないですね。誰でもが至れない境地ではあると思います。

字幕とカメラワーク

字幕でライブのミュージカルを見るのが初めてだったので、どんな感じなのかと思っていましたが、違和感なく見続けることが出来たと思います。カメラワークも気になるところは特になかったかと。特に3人しか演者がいないのもあって、しっかりそれぞれを終えている感じがしました。劇場で前から5列目とかの席だと、演者の顔はよく見えるけど、舞台の端から端まで使った演出が首の向きを変えても見渡せないとかあるので(笑)、それよりその時々にあわせて、クローズアップしたり、逆に引いて見れたりするので快適でした。これからも積極的にいろいろ見ていきたいな〜と思ったと同時に、テレビをもう少し大きくしようかな、、、とか、椅子を買おうかな、、とか、物欲も刺激されているのでした。