K-BOOKフェスティバル2020 と「ハン・ガンさんに聞く」オンライントークライブとても楽しかった記録

最近は韓国文学の日本語翻訳版を書店でとても多く見かけるようになり、わたしもいくつかの作品を読みどんどん沼にはまっています。そんな中で11月28日、29日の二日間に渡ってK-BOOKフェスティバル2020が開催されました。わたしが日々聞いているラジオでもこのイベントの紹介が連日あって楽しみにしていました。

今年はオンラインだったのでわたしも見れました

昨年から始まったイベントだそうで、まだ感染症の流行が始まる前だったので会場が設けられて開催されたそうです。昨年の様子はこちらから。すごく楽しそうですね!今年も同じように開催予定だったそうですが、感染症の流行を理由にオンラインでの開催に変更されたそうです。わたしは九州のはじっこ鹿児島在住。おそらく今年も東京開催だったら訪れることはできなかったと思いますが、オンラインだったおかげで参加することができました。有料のトークライブもいくつかありましたが、無料でYouTube経由で視聴できるイベントも多くて、一日作業しながら見ることができました。

韓国文学の日本語訳を扱う出版社の方、翻訳者の方、韓国の作家さんなどのお話などを直接聞く機会はなかなかないのでとても興味深く見れました。どの方もそれぞれ熱意をもって参加されているのが伝わりました。

全体イベントの大トリがハン・ガンさんのトークライブ

17時ちょっと前にコーヒーを淹れてパソコンの前でスタンバイ。まずは日本のスタジオが映し出されて、翻訳者のきむふなさんと、通訳の延智美さんがご挨拶されました。

すごくおちゃめな方でした

そしてついにハン・ガンさんが登場。思った以上に立派な舞台なのに観客はいなくて不思議〜シュール〜と話されました。その最初のひとことの話し方でうわぁ、、、イメージ通りの方だと引き込まれました。

終始やわらかい笑顔のハン・ガンさん

穏やかな語り口で、丁寧に質問に答えていかれるハン・ガンさん。自分が話して、そのあと通訳さんが日本語訳を話す間待つわけですが、それについて「自分が話した言葉が海を越えて日本に届くまでの時間なのかな」というようなことをおっしゃっていて、やっぱり詩的だなと(うろ覚えでもったいない。あとで見逃し配信見よう)

そしてわたしがびっくりしたのが通訳の延智美さんの活躍っぷりです。ハン・ガンさんの質問への回答は丁寧でとてもたっぷりだったのですが(途中でご本人も気づかれて少しずつ話しますねと笑ってらっしゃったほど)、すべてをきちんと記録されて、話し終わった瞬間に訳を話し始められるのにびっくりでした。ある程度端折っているのかな?と思っていましたが、きむふなさんが途中で「すべてを取りこぼすことなく日本の皆さんに届いています」とおっしゃったので本当に素晴らしい仕事をされていたと思います。

最初でこのトークライブの流れを説明されていて、途中でスペシャルゲストがいらっしゃるということだったのですが、わたしは全く想像がつかずでした。ハン・ガンさんの作品の翻訳を多く手掛けていると聞いていた斎藤真理子さんかな?と思ったりもしていたのですが、いよいよスペシャルゲストさんの登場です!となり名前が呼ばれた瞬間、わたし鳥肌がたってしまいました。なんと、スペシャルゲストが平野啓一郎さんだったのです!わたしは今フリーランスになって8年目に入ったところなのですが、その間すっかり小説を読むことから離れてしまっていました。その前までは暇さえあれば物語を読んでいるような生活だったのですが、この間は仕事に関わる本以外は読まなくなっていました。なんだかんだで必死だったんですね。でも昨年、平野さんの「マチネの終わりに」を何気なく手にとって読み始めてからその面白さを思い出してまた小説を読むようになった経緯があり、今一番注目している作家さんだったからです。どんだけ私得なキャスティング!!ありがとうK-BOOKフェスティバルを企画してくださった皆さん!

というわけでそこからは平野さんとハン・ガンさんの日韓作家トークへ。作家としての今年のこのコロナ禍への向き合い方についてや、お互いの作品を読んだときの感覚などを話されるのを聞かせていただき、お互いへの敬意も伝わってきてとっても有意義な時間でした。

最後にハン・ガンさんから日本の読者へのコメントをいただき、これでおしまいかな?とおもっていたらなんと続きが。

おもむろに本を取り出すきむ・ふなさん。その中にあるハン・ガンさんのエッセイ?の一節から、彼女が11月の終わりに生まれたと書かれている部分を指して、それって今ぐらいですよね?ってニコニコしながら話されて、サプライズの誕生日お祝いが!!

韓国のスタジオではハン・ガンさんへ花束が渡されて、日本のスタジオには翻訳家の古川綾子さんと斎藤真理子さんも登場。

なんだこの幸せな世界は!と各自の交流や笑顔あふれる様子を拝見してこちらも胸がいっぱいになったのでした。

関係者の皆さんお疲れさまでした!素敵なイベントをありがとうございます!

きっとオンラインでの開催に切り替えるの色々大変だったんだろうな〜と思いますが、関係者の皆さんの熱意や人柄、前向きな姿勢を感じることができてとてもいいイベントに参加できたなぁと嬉しい気持ちでいっぱいです。また来年も楽しみです。

他にもいくつかのトークライブを見たのですが、どれもいろんな気付きがあり、韓国の話と日本の話が同じ部分と違う部分を知れたり、わくわくすることも多くて満足度が高かったです。コロナ禍で、自分の周りの世界しか見えてませんでしたが、いろいろな分野の人が各自の持ち場で工夫して頑張っているんだと思うと励まされますね。それについてものちほどまとめようと思います。今日はこのへんで。